こんにちは!シンです。
突然ですが、配当金っていいですよね。
配当金投資は株を保有していると毎年配当金として受け取ることができます。
配当金は受け取ることで毎回税金が引かれるため、
資産形成をする上で効率が悪いと言われることがあります。
そんな世間の風潮に待ったをかける記事になります。
この記事を読むと
インデックス投資一択!
と思っている人も
あれ!?
高配当株投資も魅力的だな
と思うようになるかもしれません。
配当金生活とFIREの相性がいい理由
企業が株を発行していて、その株を保有していると
配当金という形で、企業の利益を株を保有している人(株主)に
還元してくれます。
(配当金を出していない企業もあります)
配当金はいわゆる不労所得になりますので、
配当金を主目的とした投資をしている人も多く、
まとまった配当金を得て、FIREを目指している人もいます。
その配当金で生活することを配当金生活と言います。
今回の記事ではその配当金とFIREとの相性がいいとではないか?ということを考えてみた記事になります。
所得を得る(お金をもらう)と、税金がかかります。
現在の税制度では配当金に対する優遇措置があり、
株を売却して得る利益よりも配当金で得る方が税金面で有利
なため、FIREとの相性がいいということになります。
(これを配当控除といい、詳細は後述します)
不労所得という単語には得も言われぬ魅力があるね
僕の大好きな言葉は
不労所得です。
配当控除とは?
株を保有していると、配当金が支払われます。
(配当金を出していない銘柄もあります)
源泉徴収ありの特定口座で株を保有している場合、
配当金が支給される際に20.315%の税金が引かれています。
この税金は二重課税になるため、
その余分に取られた税金を確定申告で取り戻そう!というのが配当控除になります。
赤い矢印の部分で税金が引かれています。
配当金は企業が利益を上げて、法人税を納めた後に支給されます。
企業が法人税を納めた後にさらに配当金の中から所得税と住民税が引かれているため、
この部分が二重課税となっています。
現在の消費税が10%ということを考えると、
その2倍の約20%も取られるのは痛いね。
FIREを目指す上で、
税金ははっきり言って「敵」なので
現在の日本の税制度を理解して活用できる部分はフル活用していけると
FIREまでの期間を短縮できるかもしれません。
税金の計算方法は3種類ある
確定申告の話の前に税金について考えてみましょう。
税金の計算方法は以下の3種類があります。
- 申告不要制度
確定申告をしなくてもいい制度。
「特定口座で源泉徴収あり」にしている人が該当します。(僕もこれです)
確定申告をしなくていい反面、無条件で配当金から20.315%の税金が取られています。
→配当金は確定申告をすることでここで取られた余分な税金を取り戻せる場合があります。
(確定申告をした方が税金面で有利か不利かは後述します) - 申告分離課税
損益通算を用いる場合に使う制度。
課税所得と分けて配当金にかかる税金を計算します。 - 総合課税
サラリーマンであれば、本業の収入と配当金収入をまとめて計算し、納税する方法です。
確定申告をすることで総合課税で計算し、払いすぎた税金を取り戻すことになります。
今回の配当控除では③の総合課税で確定申告することで払いすぎた税金を取り戻すことができます。
①の申告不要制度をしている人も改めて総合課税で確定申告をすることで、
払いすぎた税金を取り戻すことができます。
ただし、NISA口座で買った銘柄やREITは対象外です。
(二重課税になっていないので)
急に難しい単語のオンパレードになってきた!
結局どういうこと?
確定申告をすれば払いすぎた税金が取り戻せる可能性がある
ということをとりあえずは覚えておいてください。
人によっては確定申告をすることで逆にさらにお金が徴収される場合もあるので、
さしあたっては確定申告ということだけ覚えておいてください。
詳細は後述します。
- 確定申告不要の「源泉徴収あり特定口座」であったとしても総合課税扱いで確定申告すると配当控除が受けられ、税金の還付が受けられる可能性がある
- 配当控除には対象外のものがあり、NISA口座で買った銘柄、REITは対象外
どれくらいの税金が確定申告で取り戻せるの?
確定申告?をすればお金が戻ってくるのはなんとなく分かったけど、
どれくらい戻ってくるの?
細かくは人によって条件が異なりますが、
一番多く取り戻せる人だと、
1年で100万円の配当金がもらえる人は
確定申告をしないと約20万円の税金が取られていますが、
確定申告をすることで15万円戻ってきます。
つまり、確定申告をしないと手元に約80万円しか残りませんが、
確定申告をすることで95万円を手元に残すことができます。
払った税金の3/4も戻ってくるの!?
それは大きいね!
厳密には後述する課税所得によって戻ってくる税率が変わってきます。
税率5%のするには条件はありますが、配当金にかかる税金を5%にまで抑えられることは非常に大きいです。
しかも単身でFIREする人は5%に抑えることの条件が決して難しくはありません。
(条件は後述します)
これが、日本企業から受け取る配当金がインデックス投資よりも有利に働く部分です。
- 配当控除すると、20.315%の税金の内、
最大で15.315%の控除が受けられます。 - 100万円の配当金がもらえる場合、配当控除をしなければ約20万円が税金で取られますが、配当控除をすることで5万円の税金で済ませることができます。
→ただし、5%の税金で済ませるには後述する条件があります。
確定申告をした方がいい基準は?
それで、確定申告をした方がいい人と、
しない方がいい人の基準は?
分かりやすい表を使って説明していきますので、
ゆっくりと理解していきましょう。
結論から言うと、
課税所得が900万円以下であれば確定申告をして配当控除をした方が
税金面で有利です。
下の表を見てください。
配当控除で取り戻せる金額というのは上記の表のとおり課税所得によって変わってきます。
課税所得900万円以下は正味税率が源泉徴収税率よりも低いため、
確定申告して配当控除を受けることで税金が還付されます。
900万円を超えていると、確定申告をすることで逆に多く税金を納めることになります。
その場合は申告不要制度を利用しましょう。
(確定申告しない)
また、住民税に関しては総合課税で確定申告をすることで全員が税金面で不利となります。
そのため、所得税は総合課税で確定申告をし、住民税は申告不要制度を利用しましょう。
(所得税と住民税で別々の制度を適用させることができます)
課税所得?が900万円以下であれば、確定申告をした方がいいのは分かったよ。
でも肝心の課税所得が分からないよ。
次からは今まで度々出てきた
課税所得について解説します。
課税所得も難しい言葉ですが、
知ってしまえば難しくはありません。
- 課税所得900万円以下の人は確定申告して配当控除しましょう。
- 課税所得900万円以下であれば確定申告の際に所得得時は総合課税で確定申告をし、住民税は申告不要制度を利用すれば余分に取られた税金を取り戻せます
- 課税所得900万円を超える人は申告不要制度を利用しましょう。
(源泉徴収ありの特定口座の場合は確定申告しない)
課税所得とは?
課税所得900万円以下の人は確定申告した方がいいのは分かったけど、
そもそも課税所得ってなんなの?
課税所得という言葉は難しいですが、
難しくありません。
むしろサラリーマンの人は計算もせずに簡単に分かる方法があります。
まずは下の図を見てください。
給与所得はサラリーマンの給料です。
(いわゆる額面と言われるものです)
配当所得は配当金のことです。
所得控除というのは以下のものが該当します。
- 扶養控除
養う家族がいる場合に税金の負担を軽くすることができる - 配偶者控除
夫婦なら税金の負担を軽くすることができる - 社会保険料控除
社会保険料を払っている人の税金の負担を軽くすることができる - 基礎控除
すべての方が一律に適用される所得控除。
控除額は48万円。
住民税の場合は43万円。
他にも控除はありますが、一般的なものは上記のものになります。
小難しい内容が続いていますが、
サラリーマンであれば毎年もらう源泉徴収票に
所得控除がそのまま書かれているので、
それを見ればすぐに分かります。
- 課税所得は「給与所得+配当所得-所得控除」で求められる
- 所得控除はサラリーマンであれば毎年の源泉徴収票に記載されている
- 確定申告時に源泉徴収票は必須なので、源泉徴収票さえあれば問題なし
変な計算式や言葉が出てきたけど、
とりあえずサラリーマンであれば、源泉徴収票があればいいってこと?
そうですね、源泉徴収票さえあれば特に計算したりする必要もありません。
確定申告時も国税庁のHPから書類を作れば、
数字を入力するだけなので計算しなくても大丈夫です。
現金化する際の税金面でインデックス投資よりも有利な配当金
先述したように、配当金にかかる税金は条件にもよりますが5%にまで抑えられます。
FIRE後にインデックス投資を4%ルールで取り崩す場合、
保有している投資信託を売却する必要があります。
売却益には20.315%の税金がかかります。
配当控除を受けた配当金との差、約15%の税金の差はとても大きいです。
この税金の差によって、配当金でFIREする場合は貯める金額を抑えることが可能です。
インデックス投資より税金面で有利になる
- インデックス投資の取り崩しは売却益に当たるので、
20.315%の税金がかかる - 日本企業の配当金は最小で5%までに抑えることができるため、
税金面では日本企業からの配当金の方が有利
上記のことから日本企業の高配当株投資は税金面で
インデックス投資よりも有利になる場合があります。
配当金って不労所得という言葉だけでなく、
税金面でかなり有利なんだね。
配当金は効率が悪いと聞くけど、
FIREとは相性がよさそうだね。
金融資産から現金に戻す場合は、
現在の日本の税制度ではインデックス投資を取り崩すよりも
配当金の方が有利に働く場合が多いです。
(年収ではなく)課税所得が900万円を超える人というのはなかなかいないので。
配当金がFIREと相性がいい理由と
税率を5%にする条件
配当金がFIREと相性がいいのは分かったけど、
今まで何度も出てきた税率を5%にする条件を教えてよ。
それが一番大事だよ。
ここでは肝心の配当金の税率を5%に抑える条件を解説します。
先ほどの大和証券から持ってきた図をもう一度見てみましょう。
課税所得330万円以下のところに注目しましょう。
正味税率が0%となっています。
住民税は固定で5%になりますので、
課税所得(配当金)330万円以下であれば税率が5%になります。
(この課税所得330万円というのが、前述していた税率5%の条件です)
つまり、330万円の配当金をもらう場合、
税金で取られる金額は16万5千円になります。
同じようにインデックス投資で330万円分を売却すると、
税金が20.315%であるため、約67万円の税金が取られます。
差額は約50万円にもなります。
インデックス投資は資産形成する上で王道且つ最適解であることは間違いありませんが、
現在の日本の税制度で現金に戻す場合の最適解ではないということになります。
つまり、FIRE後の配当金が330万円以下であれば
税率が5%にすることができるってこと?
そうです。
家族がいると、年間の生活費を330万円に抑えることは難しいかもしれませんが、
単身者でのFIREであれば決して難しい金額ではありません。
現に僕は年間200万円もあれば生活可能です。
税金を考慮したFIREに必要な金額
税率が5%に抑えられれば、FIREの目標金額も下がるんじゃない?
鋭い!そうです。
税金はFIREをする際の大きな壁になります。
その壁を低くすることができるということは
自然とFIREの難易度が下がります。
15%の差というのはそれほどまでに大きいのです。
ここでは具体的な金額で比較していきます。
配当金であれ、インデックス投資の売却であれ、
自分の手元に入ってくるまでには
税金が掛かってきます。
以下の金額が手元に欲しい場合の金額を考えてみましょう。
配当金もインデックス投資の取り崩しも4%で考えています。
年間生活費:200万円
配当金(確定申告込)
200万円÷0.95÷0.04=5,263万円
インデックス投資
200万円÷0.8÷0.04=6,250万円
年間生活費:250万円
配当金(確定申告込)
250万円÷0.95÷0.04=6,579万円
インデックス投資
250万円÷0.8÷0.04=7,813万円
年間生活費:300万円
配当金(確定申告込)
300万円÷0.95÷0.04=7,895万円
インデックス投資
300万円÷0.8÷0.04=9,375万円
200万円の時点で必要な金額の差が1,000万円も違うよ!
税金ってエグイね!
上記の比較は全額日本企業への配当金投資としていますが、
実際にはそういうことはリスクが高すぎるため、あまり現実的ではありません。
あくまでシミュレーションのひとつとして考えてください。
次では税金面で有利な配当金投資のリスクについて書いていきます。
FIREを目指すなら日本企業への投資が最適解?
これだけ配当金投資が税金面で有利ならもうインデックス投資をやめて
配当金投資一本にするよ!
ちょっと待った!
確かに現状の日本の税制度では配当金投資の方が有利ですが、
全額配当金投資はあまりにもリスクが高すぎます。
ここでは配当金投資のリスクについて書いていきます。
それでは、FIREを目指すなら日本企業への投資が最適解か?
と言うとそういうわけでもありません。
- 減配(無配)リスク
- 銘柄選びの難易度が高い
- 含み損を抱えるリスク
- 倒産リスク
- 定期的にメンテナンスが必要
ざっと考えただけでこれだけのリスクが出てきます。
特に①と④はいざ起こるととてもリスクが高いです。
税金面で有利だからと言って、日本企業への配当金目的の投資が最高!というわけではありません。
しかも日本企業はアメリカ企業と違い、
株主軽視の傾向が強い企業もまだまだあります。
そういった意味ではアメリカ企業よりも減配、無配リスクは高いです。
確かに減配や無配は考えたくもないね。
ましてや倒産なんて恐ろしい!
インデックス投資が王道たるゆえんはその低リスクにもあると思います。
インデックス投資も全くのノーリスクではありませんが、
個別株投資となる配当金投資と比べたら比較にもなりません。
まとめ
今回の記事長いよ!
端的にまとめて!
かしこまり!
- 課税所得が900万円以下の人は総合課税で確定申告するとお金が戻ってくる
- 課税所得は、「給与所得+配当所得-所得控除」
- 給与所得はサラリーマンであれば額面上の給料
- 配当所得は配当金
- 所得控除は源泉徴収票を見れば書いてあるので、計算せずにすぐ分かる
- 通常の配当金は20.315%の税金がかかっているが、
課税所得330万円以下であれば税率を5%まで下げることができる - 税率を5%まで下げることでインデックス投資の取り崩しよりも税金面で有利となり、FIREとの相性がいい
- ただし、配当金投資はインデックス投資よりもリスクが高いので、
税金面が有利な面と、リスクとで上手くバランスを取る必要がある
あとがき
税金面を考えてみました。
配当金の税金面の有利さというのは非常に魅力的な反面、
大きなリスクを抱えているのも事実です。
個人的には配当金投資だけでなく、インデックス投資もして
どちらかに傾倒しすぎずに上手くバランスを取ることが大切だと思います。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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